こんにちは!今日は私の大好きなコーナー、兵動大樹さんの『今昔さんぽ』が放送されました。なんとこの春で10周年を迎えたとのことで、本当におめでたいですね!節目の回となる今回の舞台は、東大阪市の「石切(いしきり)」。
東石切公園から見渡す大阪平野は絶景で、あべのハルカスから近鉄奈良線、京阪奈線まで一望できる最高のスタート地点です。そこで手渡されたのは、1967年(昭和42年)の1枚の写真。そこには、緑豊かな山間にあるトンネルから姿を現す電車の姿が映っていました。
■ 子供たちが叫んだ「旧生駒トンネル!」の正体
聞き込みを始めると、地元の子供たちが「あ、これ旧生駒トンネルや!」と即答。さらに83歳の女性からは「孔舎衛坂(くさえざか)駅のあたりじゃないかしら」という重要な証言が。
石切大仏や、占い店が軒を連ねる独特の雰囲気の「石切参道商店街」を歩き、老舗・梅月堂さんで絶品の赤飯をいただきながら情報を集めると、驚きの事実が判明しました。
なんと、あのトンネルは今、**「ワインの貯蔵庫」として活用されているというのです。年間を通じて一定の温度と湿度が保たれるトンネル内部は、ワインの熟成に最適なのだとか。歴史遺産がそんな形でおしゃれに再利用されているなんて、ドキドキしますよね。
■ 明治のエンジニアたちの意地。誤差わずか「5寸」の衝撃
兵動さんは、特別に近鉄の担当者さんの案内で、通常は立ち入れない「旧生駒トンネル」の内部へ潜入しました!
大正3年に開業したこのトンネルは、全長3380メートル。当時、資本金300万円だった大阪電気軌道が、なんと工事費に270万円を投じたという、まさに「社運を懸けた」巨大プロジェクトでした。
当時は重機もない時代。ほぼ「手掘り」で2年10ヶ月もの歳月をかけて掘り進められたのです。
トンネル内は、美しいイギリス積みのレンガ造り。驚くべきは、東西の両側から掘り進めたにもかかわらず、真ん中での合流地点の誤差がわずか「5寸(15センチ)」だったということ!
明治・大正期の測量技術と職人の意地に、兵動さんも「凄すぎる……」と絶句。大阪と奈良の距離を一気に縮めたこのトンネルこそが、今の近鉄、そして関西の発展の礎だったのです。
■ 幻の「孔舎衛坂駅」と、消えた遊園地の記憶
しかし、ここで一つの疑問が。写真は昭和42年のものですが、旧生駒トンネルは昭和35年にその役目を終えています。時代が合いません。
その謎を解くために、一行は山を越え奈良県側へ。
そこで出会ったのは、かつて存在した**幻の駅「孔舎衛坂(くさえざか)駅」**のホーム跡でした。かつてこの場所には「日下(くさか)遊園地」や「日下温泉」もあり、多くの人で賑わっていたといいます。
実は写真は、新しい生駒トンネルへの切り替えの際に、かつての入り口付近を改修して走っていた電車の姿を捉えたものだったのです。
■ 100年の時を繋ぐ、シャッター音
最後は生駒駅のホームから、かつての面影が最も色濃く残る構図で撮影。
兵動さんが切ったシャッターの先には、明治の人々が夢見た未来が、今も力強く走り続けていました。
近未来のメタバースも凄いけれど、一歩一歩、15センチの誤差さえ許さずに山を掘り抜いた先人たちの「泥臭い情熱」には、何物にも代えがたい美しさがありますね。
歴史を知ってから今の近鉄に乗ると、窓の外の景色がまた少し違って見えそうです。
10周年、本当におめでとうございます。これからも、街に隠された素敵な物語を私たちに届けてください!
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